クティオですけど
前の記事でもこっそり触れていたクティオですが、もともとこれに興味を持ったために、IIJmioに乗り換えたので、当然の様に特別販売に申し込んだわけですが、販売開始日に申し込んで4月2日に届きました。
クティオがどういうものかは、こことかここを読んでいただければ詳しくわかりますが、要はイーモバの(特定の)通信端末を直結できる、バッテリ駆動可能なIEEE802.11b/g対応の無線LANアクセスポイントです。
同系統の製品として、PHS300というのがあります。PHS300は、発売が昨年の10月頃なので、Googleとかで検索してみると、レビューがいくつも見つかります。クティオと比べてみると、スペック的にはほぼ同じ。重量はクティオの方が若干重く(25g程度)、サイズはフットプリントはクティオの方が小さいですが、3mm程厚くなっています*1。双方とも1800mAhのリチウムイオンバッテリ駆動で2時間弱(公称値)使えます。
PHS300は持ってないのでわかりませんが、ネット上のレビューなどでは、公称値通りに使えるようですね。クティオも、何度か連続稼働させて試した限りでは、だいたい公称値通り使える様です。
さて、実際の使用感ですが、使い方は簡単で、(あらかじめイーモバの接続情報や、無線LANのセキュリティ設定等をすませておけば)イーモバの端末をUSB、あるいはカードスロットにさして、クティオの電源を入れるだけ。
イーモバへの接続は自動で行われます。PCやWindows Mobileのソフトルーター等を使う場合と違って、アドホックモードに切り替えることなしに、自宅などの無線LAN環境にアクセスするのと同じ感覚で使うことができます。
PCはもとより、iPod touchやSkype専用無線LAN携帯端末等も、(イーモバのエリア内なら)家の外に持ち出してネット利用が可能です。もちろん、iPhoneの月々のパケット料金を基本料金(ダブル定額の下限)におさめるのにも有効だと思います。
クティオはWebブラウザーで各種設定を行います。購入時はデフォルトのユーザー名と、一台ごとに異なるパスワードが設定されているので、説明書を参考にして、設定画面を呼び出します。そうそう、接続手段は無線LANのみなので、設定にも無線LANを搭載したPC等が必須です*2。
モバイルで使う以上、セキュリティは必須ですね。これは一通りの機能を備えています*3。まあ、とりあえず設定画面へのログインパスワードを変更。ESSIDやセキュリティ設定も行いました。
ここでトラブル。ESSIDのステルス化ができるのですが、それを行うとMac(MacBook Air)からのアクセスが不安定になる。うーん。モバイル使用だから、できるならステルス状態で使いたいんですが、まあ仕方ないと、ここはあきらめる 🙂*4。と、ここで設定画面にバグ発見
ステルスを行うかどうかを設定する画面は「無線LAN拡張設定」というページなのですが、ここでPreambleタイプという項目があり、ShortかLongかをラジオボタンで選択する様になっているのですが、ページ内の設定ボタン(ページ内のすべての設定項目を一括設定するボタン)を押すと、ShortとLongが入れ替わってしまいます。明示的にShortかLongのいずれかを選択してから設定しても逆になる。この項目は下手にいじると通信が不安定になることもあると、説明書にも書かれているのですが、困ったものです。
POSTデータとしてクティオに送る際に、POSTデータの作成で間違っているのか、受け取ったクティオ側が解釈を間違えているのかいずれかですが、該当ページのHTMLを見てみると、POSTデータの作成時っぽいです。余談ですが、4/17に出た最新ファームでは直っていませんでした。クティオ使用開始直後にも、ファームのバージョンアップを行っているので、工場出荷時のファームでは試していませんが、そのバージョンアップファームでは、上記バグが発生しています。まあ、値が入れ替わる事がわかっているので、望まない方を選んだ状態で「設定」する事で回避できます。
他には、問題らしい問題はとくにありません。不満点は、電源周り。まず、ACアダプターが軽いけどでかい。本来の使い方として、一緒に携帯するものではないかもしれませんが、2時間弱という微妙な長さの連続稼働時間を考えると、電源がとれる場所ではACで使いたいところ。もう少し携帯しやすいものにしてほしかった。
ACアダプターは、電源供給用のUSBミニBポートにさして使うのですが、つまり、USB給電で使用・充電が可能と言うこと。でも、公式にはUSB給電は未サポートとなっています。これは、件のACアダプターをみると理由がわかるのですが、ACアダプターの出力が5V 2A。一般的に、USB出力は5V 0.5Aが最大ですから、その4倍の電流が必要なわけで、これでUSB給電可能と書くわけにはいかないということですね。でもきっちり2A無いと使えないのかと、手持ちの0.5A以上の出力が可能な外部バッテリで、いくつか試してみました。結果、1Aに満たないものは、接続しても無反応。1AのPowerBank Slim 2.0やMyBattery Book Xでは、一応連続稼働時間は延びたものの、3〜4時間弱で力尽きます*5。この際、クティオのバッテリは空ですが、外部バッテリ側はかなり残っています。また、クティオ側のバッテリが満充電に近い状態から使い始めないと、動作が不安定になる様です。
おそらく、USB端子からの給電が、クティオの動作とバッテリ充電の両方に割かれることで、どちらの目的にも容量不足になるということだと思います。
手持ちの外部バッテリは、USB端子タイプは1Aまでのものしか無いので、3〜4時間が限界稼働時間となります。まあ、通常はこれで間に合うと思いますが、PHS300では、外部バッテリとのセット商品や、車載用電源アダプター、さらに予備バッテリなどが正規商品として存在するので、うらやましい限り。特に外部バッテリとのセットでは、6時間以上は平気で稼働する様です。
ちなみに、その外部バッテリは、5V 1.5Aの出力の様です。でも、現在は単体で入手できない様で*6すし、入手できたとしても、USBミニB端子では無い模様です。
うーん、万策尽きたか。せめて、予備のバッテリが手に入れば、入れ替えで倍の時間は使えるのですが…。ということで、クティオ製造元のネットインデックスのサポートに聞いてみることにしました。説明書に、バッテリの購入はサポートデスクまでとのことが書かれていたので。
で、ネットインデックスのサイトにアクセス、サポートについてのページを開く。手っ取り早く電話で聞いてみるかとも思ったけど、通話料有料 :)の上に、問い合わせ機種のリストにクティオが無い。問い合わせフォームの方にはあったので、それで送信しましたが、先週の木曜日の朝に送信して、いまだに梨の礫。急ぐわけではないけど、サポートの反応が悪いのは気分が悪い。面倒だけど、催促するか、電話かけるかするつもりです。
※2009/04/24訂正 説明はこちらの続報記事で。
以上、全体的には満足です。PHS300と同等のものを1万円以内で買えたわけですので、その点は特に。でも、外部バッテリを考えると、最初からセットになっている(動作確認が取れている)パッケージがあるPHS300はうらやましい。セット価格で19800円程度ですから、クティオとの差額約1万円で外部バッテリを買ったと考えれば、それほど価格差があるわけではないですし*7。
それはそれとして、発売日からまだあまり経っていませんが、割とこまめにファームのバージョンアップが提供されたので、この感じでこの先もサポートされ続けるといいなぁ。あ、イーモバが、もっと回線強化して、どんな場所でもどんな時間帯でも、速度が落ちにくい様にしてくれないと、快適度は落ちるばかりです。顧客獲得ばかりに躍起になってないで、頑張ってね > イーモバさん
--- --- 脚注 --- -- -- -- -- -- -- - - - - - - - - -- PHS300:122×73×18.5mm 約104g / クティオ:100×65×21.8mm 約130g [↩]
- iPhoneのSafariでも、とりあえず設定画面にログインすることはできた。実際に設定変更が可能かどうかまでは未確認 [↩]
- というか、一般の無線LANルーター並かもしれない [↩]
- クティオとMacBook Airのどちらが悪いのかわからないので。他のところでも、ステルス状態のアクセスポイントとの接続がしづらかった経験があるので、当方のMacの環境や設定のせいかもしれない [↩]
- MyBattery Book Xは、type Pの外部バッテリとして10.5V出力が可能ということで購入。USBポートも付いていて、そこから出力されるのは5V 1A [↩]
- 昔は単体で販売されていた様なんですけどねぇ [↩]
- 件の外部バッテリは、単体で買うと6000円前後の模様 [↩]
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