12月
11
2009

iPhone関連技術書籍購入

表題通り、立て続けに3冊ほど購入したので簡単に書評を。いっぺんに買ったのではなく、別々に買ったのですが、それにしても、ここ最近のiPhoneの開発関連の書籍の充実っぷりといったら、1年前からは信じられない状態ですね*1。特に、入門系は一段落したのか(それでも、続々と出ているけど)、少し突っ込んだ、特定の分野別の解説書が出てきたのが嬉しい限り*2

iPhone Core Audioプログラミング


一冊目は、「iPhone Core Audioプログラミング」。iPhone OSも3.0以降辺りからは、単純な録音・再生程度は簡単にできるようになってきたのですが、少し実用的に組み込もうとすると色々と制約があったりするので困りものです。この本は、iPhoneにおけるサウンドプログラミングの基本的な事から高度な事まで、サンプルコードで詳しく解説してくれています*3。OpenAL以外のiPhoneのサウンド関連については、ほぼ網羅している模様。重要なAPIは詳細に解説されているので、リファレンス的な使い方もある程度可能です。英語ドキュメントでは理解しづらいパラメーターの解説の微妙なニュアンスや、使う上での注意点などがわかりやすく書かれています。
サンプルコードは実践的で、コピー&ペーストして少しいじるだけで、すぐに自分のコードに組み込めました*4。あ、ただ、コードにバグと思われるものがありましたよ>著者様 🙂*5
。iPhoneで(単純な再生以上に)音声を扱いたい場合は必携といっていいかと思います*6

iPhoneゲーム開発ワークショップ

iPhoneゲーム開発ワークショップ


二冊目は「iPhoneゲーム開発ワークショップ」。書名の通り、複数の著者によるワークショップ形式で、iPhoneにおけるゲーム開発の勘所や色々な分野でのテクニックが記されています。
うーん、この本は、自分にとってはちょっと微妙な線でした。複数の著者が、それぞれ自分なりの考え方やノウハウを限られた紙幅で伝授するものなので、自分の開発スタイルや、コンテンツの傾向が異なると、あまり参考にならないわけです。
全く参考にならなかったわけではありません。複数の著者それぞれが一家言ある様な開発者なわけで、得意とするゲームの分野が異なっているために、全体でのまとまりが無い(まとめようがない)点と、各著者がある程度深く自分の得意とする分野について掘り下げている部分もあり、実践的にはすぐに役立てにくいという事なんだと思います。読み物と考えれば面白いです。また、InstrumentやSharkの使い方が書いてある点は参考になりますし、それを含めて最適化に関する話題全般も参考になります。悪い本ではないですが、読み手を選び、書かれている情報を活用するには自分で色々と切り開いていかないといけないといったところです。

iPhoneアプリネットワーク+GPSプログラミング


三冊目は、「iPhoneアプリネットワーク+GPSプログラミング」。前の2冊は、発売日に購入していたのですが、この本だけは見逃していました。でも、火曜日(12月8日)に出席したmosa entranceにて紹介され、良さそうだったので、その場でAmazonに注文しました 🙂 もともとネットワークに親和性が高いiPhoneですから、ひとくちにネットワークプログラミングといっても範囲が広く、その分、全てを網羅しているわけでもありませんし、また少し駆け足の感もあります。
ただし、大半は実践的なサンプルコードを併用した(サンプルアプリを作りながらの)解説なので、ページ数に比べて内容は充実している感じです。サーバーサイドのスクリプトコードサンプルが提供・解説されているのも嬉しい。
まだ届いたばかりなので、一通り読んだだけですが、サンプルアプリをいじりまわすだけでも、けっこう面白そうです。こちらにもInstrumentとSharkの使い方が書いてあり、参考になります。

mosa entranceと言えば、MOSAですが :P MOSAが開催した先日のMOSA Software Meeting 2009 (MSM2009)のゲストセッションで「ソフトウェア開発におけるカラーユニバーサルデザインの重要性」という話を聞いてきました。自分は色弱ではないため*7、ユーザーインタフェースを考える上で、色弱ということをそれほど意識したことはありませんでした。でも、セッションを聴いて、それじゃいかんなと思った次第です。

カラーユニバーサルデザイン

カラーユニバーサルデザイン

色弱も、タイプによっては色弱ではない人と比べてより細かく色の差異を見分けられるとか、興味深い話も聴けたし、特殊なフィルターで色弱を体験というのも貴重な経験でした*8
で、そのセッションの講師の方(団体)が書いた本が、「カラーユニバーサルデザイン」という本。読んでみると、セッションの内容とほぼ変わらずというか、図版はセッションで使われていたものと全く同じ様です。
セッションでは色々と体感できたし、講師の話し方も手慣れた感じで聴きやすく、わかりやすかったですが、本の方が詳しい部分もあり、落ち着いて繰り返し読めるのがありがたい。ユーザーインタフェースデザインにかかわる人(アプリだけではなく、例えばWebデザイナーとかも)全てに一読してほしい本ということで、おすすめしておきます。



--- --- 脚注 --- -- -- -- -- -- -- - - - - - - - - -
  1. まあ、一年前と言えばNDAが解除されたばかりだったから []
  2. しかし、一冊の価格が高い :cry_wp: たいてい3000円前後だもんな〜。購入したい技術書はiPhone関連だけじゃないし []
  3. 書籍に掲載されているのは重要な部分のみ。動かすための全てのコードは、サポートサイトからダウンロード。でも、解説を理解するだけなら、書籍掲載部分だけでほぼ間に合うので、開発環境が無いところでも読んで勉強できると思う []
  4. 自分にとって一番期待したのは、複数ファイルを一つに連結した状態で個別に再生というものだったんだけど、この本の情報だけでは実現できなかった。でもヒントはつかめたので、すぐに改造できた :clap_tb: []
  5. AudioUnitを使ってメモリベースの再生を行うコード内。詳しく内容を追ったのはこれとファイルベースのコードだけなので、他はわからないけど []
  6. 先に書いたとおり、OpenALについてはノータッチなので、OpenALでバリバリいくぜ! という人は別。でも、iPhoneアーキテクチャーについての勉強にはなると思う []
  7. 幼少時に病気で左目をやられて、弱視ですが。右目は近視なだけで、立体視はできないけれど眼鏡を掛ければ日常生活に不自由はない []
  8. 結構な値段の器具なのでおいそれと購入できない。いや、全く手が届かない値段でもないんだけど []
--- --- --- --- --- -- -- -- -- -- -- - - - - - - - - -
このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - iPhone関連技術書籍購入
Facebook にシェア
[`google_buzz` not found]
[`livedoor` not found]
[`friendfeed` not found]
[`yahoo` not found]

コメント無し

Comments are closed.

RSS feed for comments on this post.


Powered by WordPress. Theme: TheBuckmaker. Darlehen, Internet Technik