11月
29
2010

近況&iOS開発関連書籍書評

 半年以上、まったく更新してませんが、生きています。ここんとこ、iOSアプリは自分用のは(AppStore公開向けのは)作っておらず、もっぱら請負のプログラミングに終始してます*1。そんなこんなで更新をサボっていると、もう2010年も終わりに近づいてしまいました。
 それにしても、今年はアップルにけっこう貢いでます。今年買ったアップル製品というと、iPad、iPhone 4、iPod touch、iPod nano、MacBook Pro 15インチ、MacBook Air 11インチ、Apple TV、他にもあったかな :lol_wp:
冒頭に書いたとおり、ここを更新していなかっただけで、開発までやめてしまったわけではありません。情報収集として、開発関連の書籍も何冊か購入したりしていなかったりするので、何冊か書評をば*2

 今回は、「基礎から学ぶ iPhoneアプリ開発」「実践iPad/iPhoneゲームプログラミング」「iOS SDK Hacks」「iOSデバッグ&最適化技法 for iPad/iPhone」
を。

基礎から学ぶ iPhoneアプリ開発

実践iPad/iPhoneゲームプログラミング

iOS SDK Hacks

iOSデバッグ&最適化技法 for iPad/iPhone



 まずは「基礎から学ぶiPhoneアプリ開発」。以前紹介した「Objective-C 逆引きハンドブック」の著者の、iOS開発入門です。「基礎から」の通り、これからiOSでの開発を始める人を対象に書かれているわけですが、全体の5分の1ほどで、基礎部分の一通りの解説が終わります。続いて、各章で技術的なテーマを決めて、それを盛り込んだアプリを1つずつ作っていきます。作りながら、実装手順や勘所を学んでいこうということの様です。各アプリの実装内容は、iPhone(一部iPad)ならではの機能が随所に盛り込まれています。一部、並列処理など、プログラミング初心者にはかなり高度な内容もでてきますが、プログラミングは経験あるけれど、iOS開発は初心者というのであれば、気になるトピックでしょう。各アプリの解説は、かなり詳細です。初心〜中級までおすすめできる内容。iOS 4対応*3

 「実践iPad/iPhoneゲームプログラミング」。ゲームのアルゴリズムとかはあまり書かれていません。3分の1程度がCore Animationについて、他の3分の1でOpenGL ESについて、残りで一般的な基礎情報や、この書籍で学んだ後の発展的な情報の解説という感じになっています*4。動かす物が少数であれば、Core Animationでもかなり高度な演出が可能なことが実感できます。一方で、OpenGL ESも2D/3D表現の解説に加え、OpenGL ES 2.0に関しても限定的ではありますが触れられています。この本だけで、何かのゲームが完成できるわけではありませんが、ゲームを組む上で、様々な場面で参考にできる情報が含まれていると言えます。ゲームに限らず、かっこいいアプリを作る上でも、(特にCore Animationの方は)色々参考になると思われます。

 「iOS SDK HACKS」。サブタイトルにある様に「プロが教えるiPhoneアプリ開発テクニック」と思って間違いない本。いわゆるTips本。ハック*5の仕方も幾つか載っているが、多くは通常の開発で役に立つ内容。ある程度の期間、開発を続けていれば知っている様な内容も多少は入っているが、有用な情報も多い印象。一応、章立てはあるが、章内の各項目間で系統立てて解説されている様な感じは受けない。これは、各項目は項目内で情報が完結しているし、膨大なiOSの話題の中で項目数としては本全体で40程なので、仕方ないところでしょう。ただ、各項目の解説は丁寧です。項目数が多いわけでは無いので、目次などで自分の目当ての解説が書かれているか確認してから購入した方が良いかも*6

 「iOSデバッグ&最適化技法 for iPad/iPhone」。書名だけ見ると、デバッグ時やプログラミングの仕上げ時のノウハウ本の様な感じを受けるけれど、実はiOS開発の基礎的な内容を解説した本。retain/releaseが理解できないとか、プロパティとインスタンス変数の扱い方とか、そういう人向けの内容が豊富な用例と共に懇切丁寧に解説されています。「デバッグ技法」という事で、Instrumentsについての使い方もそれなりに載っていますが、上記の様な基礎的な内容がその3〜4倍はある感じです。また、Instrumentsについても、特別なテクニックが記載されているわけではなく、典型的な(一般的な開発作業では、もっとも利用頻度が高い)使い方が解説されています。中級開発者なら知っていて然るべき内容が、わかりやすく解説されています*7。初心者が、他のiOS開発の入門本と併用しながら、この本をマスターできたら、かなりしっかりしたアプリが作れるようになるでしょう。あ、あとプロビジョニング周りの解説も、かなり詳しく書かれていますので、これはある程度のレベルの人でも参考になる感じです。





--- --- 脚注 --- -- -- -- -- -- -- - - - - - - - - -
  1. iOSアプリです []
  2. 基本、技術書籍は自腹購入(≠経費)なので、ここでアフィリエイトが稼げると、すごく助かります :jittery_tb: []
  3. この本の発売時点では、おそらく唯一のiOS 4対応の書籍だったと思う。もちろん、日本ではということで。 []
  4. 分量はページ数比 []
  5. ここでは解析の意 []
  6. 私は、この手のノウハウ本は、読み物のように楽しめるので、目当ての内容が無くても損だとは感じませんが。逆に、知っている事ばかりだと嫌ですが :doh_tb: []
  7. 逆に言えば、これを知らないと不安定なアプリしか作れない。もちろん、Instruments等、ツールを使わない主義の人は、その部分は詳細を知らなくても構わないわけだけれど、retainとかのコーディング部分の情報は必須 []
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Written by chime in: iPhone開発,つぶやき,書評,近況 |

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