GALAPAGOSが来た
シャープの電子書籍端末、GALAPAGOSメディアタブレットを購入しました。片手で扱えて、トラックボールもついている点を評価して5.5インチ版(EB-W51GJ-R)を選択。11日に届きました*1。ソニーのReaderも考えたんですが、本体に通信手段が無く、母艦はWindowsのみという点で魅力半減。いや、別にWindowsも使っているので環境に問題はないのですが(今回購入したGALAPAGOSだって、パソコンと繋ぐ場合は同じなので)、通信手段が無いという点で、ソニーのやる気の無さ(あるいは、やる気はあるけれど、やれる器の人間がいないのか)が見えた気がしたので、とりあえず保留にしました。モノクロでの視認性では、あきらかに電子ペーパーの方が優れている*2ので、あの価格で通信手段を備えていれば欲しかったんですけどね。でも、ソニーはリブリエと言う前科があるので*3、日本で本腰を入れたかどうかがちょっと眉唾状態。
ともあれ、開封して充電(初回は充電しろと書いてあったので)*4。
充電完了後、付属の8GB microSDHCカードを挿してから電源ON。
初期設定ウィザードに従って、無線LANとユーザー登録を済ませる 。
無線LANはAOSS対応のルーターを使っているので簡単に終わりました。
ユーザー登録も、それ自体は簡単。ユーザーIDとパスワードを入れるだけ。簡単だけど、画面を見ているだけでは、何のユーザーIDとパスワードなのか判らない。「発行されているユーザーIDとパスワードを入力してください」って、いきなり言われて、端末買ったときの購入サイトの? とか思ったけど、違うみたいです。
マニュアルを見ても、「ユーザーIDとパスワードは弊社が提供するサービスをご利用いただくために必要な情報ですので、忘れないように必ずメモなどに残して…」とか書いてある。これだと、自分で勝手に登録できる様にも読める。でも、画面上には「発行されている」とある以上、もう発行されているもののはず。で、納品書を見てみると、メディアタブレットストアアカウント情報云々という紛らわしい項目の下に、納品物一覧として「ユーザーID・パスワード連絡書」というものがあるのを発見。そこに書いてありました。初期段階で必ず入力しないといけない情報なんだから、マニュアルの内容物一覧に書いておいてよ、まったく *5。
この様に、パスワードはとりあえずシャープが発行する仮の物なので、早速変更することに。端末上で電子ブックストアに入り、アカウント情報を呼び出して、新しいパスワードを入力。ついでに、やはり仮の物が発行されているニックネームも変える。これでひとまず落ち着いた。
電源を入れた際には初期状態だった時計が、この時点で正しい日時を指しているのに気づきました
まだ数時間使っただけですから、とりあえずのファーストインプレッション。全体の印象は、何というか、色々ちぐはぐです。動き・反応は、特に問題なくスムーズです。ただ、うーん、何というか全体的なデザインや、ユーザーインターフェースが熟れていない。
UI用のフォントが好みでないというのもあるんですが、どうもノッペリ感がある。UIに関しては、スマートさが無い。まあ、私がAndroid慣れしていないのもありますが*6、色々盛り込んではあるけど、やはりどこかちぐはぐ。
例えば「ホーム」画面(メディアタブレットの基本画面。本棚というかマガジンラックというか、それを視覚的に表示している)でサスペンド(通常時の電源OFF操作)しておくと、サスペンドからの復帰時に、棚に本が並んでいるのが表示されてから、一旦、棚が空になり、アニメーションを伴って本がセットされる。
あるいは、「ホーム」画面からブックシェルフ(端末に実際に登録してある本を、タイトル(シリーズ)や著者等で分類整理して提示してくれる画面。「ホーム」画面では、登録してある本が同一タイトルの雑誌だろうと何だろうと単独でバラバラに表示される。また、ストアのおすすめとかも勝手に入ってくる)に入る際、明るい灰色の画面が現れてから、画面が暗くなって内容を描画し、また明るくなって使える様になる。
そういう裏方の動作はユーザーに見せちゃだめでしょ。OSの制限でそういう手順になってしまうのだとしても、それならそれで、ユーザーが気にならない演出を考えるべきだと思う。凝った演出もいい、逆にシンプルな演出でもいい。中途半端なのが一番よくないでしょう。
ストアに入ると、ほとんどWebアプリとしか感じられません(実際、そう。なのかもしれない進む・戻る・リロードボタンがあるし、無線LANに接続していないと、真っ白な画面に、アクセスできなかった旨が表示される 2010年12月13日追記:画面をよく見たら、下の方に「サイトマップ」というリンク発見 。Webアプリとかいうレベルではなく、単純にショッピングサイトを専用ブラウザーでURLを隠して表示しているだけですね。ファームウェアの変更無しに「ストア」のアップグレードができたりもするわけで、悪いやり方ではないと思うけど、帯域が狭いネット環境ではレスポンスがきついかな)。逆に言えば、一般的なショッピングサイト(のモバイル端末向けサイト)と考えると、機能・使い勝手としては標準的。ショッピングカートに商品を入れて、最後に一括して精算。ネット通販の経験があれば、使うのは難しくないと思います。
ただ、0円の「書籍」はカートに入れて精算なのに、0円の「雑誌」は単品の詳細画面から直接ダウンロードになっていました。そこまでは、まあいいとして*7、ダウンロードごとに毎回パスワードを要求してくる。これは至極面倒。まあ、0円の雑誌をまとめて幾つも購入(入手)しようなんて、端末を購入した直後だけかもしれないですけど、この辺りは、App Storeの様に、一定時間ログインしたままにしてほしいところ*8です。
品揃えとしては、まあ「書籍」に関して言えば、そこそこ(画面に表示されている情報によれば、23000強)。値段は、実際の書籍と比べてすごく安くなっているものもあれば、ほとんど変わらないものもあり、これは各出版社や著者の考え方が表れている感じ。個人的には、プログラミング関連の技術書があればいいなとは思うけど、今のところ皆無で残念*9。「雑誌」は、思ったよりも色々なジャンルがあるけれど、まだまだ(同一タイトルの雑誌を号別に1つと数えても100程度)。「新聞」に至ってはたった3紙。これは、鋭意充実を図ってほしいところ。
さて、肝心の書籍ビュアーですが、これは可もなく不可もなく、一般的な書籍ビュアーとしての機能は備えていると感じました。(コンテンツによりできない場合もありますが)縦横書きの切り替えや、文字の拡縮(レイアウトも変わる)、しおり、検索、内蔵辞書との連携など、一通り使えます。
文字列の選択(辞書との連携などで利用する)が少々やりづらかったのですが、これは私が不器用なせいかも。
フォントも、明朝系、ゴシック系、それぞれ2種ずつ内蔵しています。さらに、太字化する様にも設定できます。ただ、フォントの切り替えはビュアーを終了して「ホーム」画面から設定を呼び出さないとできないみたいです。縦横切り替えや文字の拡縮はビュアー上でできるので、これは少し不満。
ビュアーの問題ではなく、コンテンツ側の問題ですが、新聞は3紙とも全て横書き。縦書きへの変換はできない様で、正直なところ読みづらい*10(それぞれの「試し読み」で確認しました)。閲覧期間が設定されている(西日本は30日、毎日は記載無しなので無期限?、日経は7日間!)のは、まあ新聞だから古いのは必要ない(毎日増えるから容量も無駄になる)だろうという事かもしれませんが、それならYahoo!ニュースとか、各紙のオンラインサイトを読んでいる方が無料の分だけマシに思えます(Webブラウザーも搭載されていることだし)。どうせ横書きですし。書籍や雑誌に関しては、とりあえず普通に読む分には充分な機能・性能だと思います。
最後に、ハードについてですが、軽量にしようとしたせいか、見かけはちょっと安っぽい印象もありますが、まあこんなものでしょう。男性なら片手で楽にホールドできそうなサイズですが、背面がつるつるで滑りやすいのが気になります。ストラップ穴があるのでそれで落下防止をということでしょう。
ホームキーのアイコンが四角なのは、iPhone(iPod touch)みたいだ 。
トラックボールは思っていたより感度がいい*11。ただ、片手で本体を掴みながらトラックボールでページ操作をしようとすると、かなり下の方を掴まないといけないので、けっこう不安定な持ち方になります。かといって、真ん中辺りを掴んで親指でタッチスクリーンをフリックとかいうのも、かなり親指が長くないと誤操作します。満員電車で片手で読むというのは、ちょっと難しそう*12。
長々と書きましたが、手持ちのファイル(PDFやテキストファイル)を見る話はまだ書けません。なんと母艦側のアプリケーションがまだ提供されていないので、試しようがないんです。12月20日だって。うーん、満を持しての電子書籍端末発売じゃなかったの〜?>シャープさん。
手持ちファイルの持ち出しはまだ「おあずけ」状態ですが、GALAPAGOSメディアタブレットには、まだ他にもWebブラウザーやYahoo!へのブックマークを利用しただけの「アプリケーション」や、mixiやtwitter用のアプリ、21種のゲーム*13が今のところ使えます。0円のコンテンツもけっこうあるので、とりあえずの暇つぶしに使ってみようかと思います。
--- --- 脚注 --- -- -- -- -- -- -- - - - - - - - - -- 予約開始初日に申し込んだにもかかわらず、10日には届かなかった。申し込み番号を見る限りでは、20番目以内に入っているはずなのに 申し込んだのは午前9時15分頃。まだ各通販サイトではキャンペーンコードを発表する前だったけど、当のシャープの購入サイトに各社のキャンペーンコード一覧があったので早々にポチった。まあ、公式サイトには、上旬発売と書いてあっただけで10日発売とは書いてなかったけど。でも端末向けの電子ブックストアを10日にオープンって事は正式リリースされていた。誰に向けてオープンしたのさ、って話だ [↩]
- 階調数などの表示性能ではない [↩]
- 持ってます。今でも動きます。電子ペーパーの基本性能って、当時からあまり進歩してないんだよな〜。カラー電子ペーパーであの値段だったら、とりあえず買っちゃったかもしれないけど [↩]
- ACアダプターは5V2Aで、ミニUSB端子つきのコードが直付けされている。5V2Aかぁ [↩]
- 別紙の「メディアタブレットかんたん初期設定ガイド」というペラの解説文には、ユーザー登録時に「ユーザーID・パスワード連絡書」を参照しろと書いてあるのを発見。でも、かんたんガイドに書いてあって、詳細なマニュアルに書いてないのってどうよ [↩]
- 公式サイトでは、OSはLinuxベースとしか書かれてないけど、UIのパーツのデザインとか動きとか見るとAndroidっぽい。ハードボタンも、ホームキーとバックキーがついているし。さらに端末のライセンス情報を見るとAndroidって単語があるので、少なくともある程度は使っていると思われる [↩]
- これも、なんか裏方の事情を見ている様で、実際は統一してほしいのだけど [↩]
- 毎回の入力も、セキュリティ的にはアリの考え方かもしれないので、ユーザーが選択できるのがベター? [↩]
- 概して技術書はかさばって重いので、電子書籍にすると楽 [↩]
- 最近の若者は横書きの方が読みやすいのか? [↩]
- でも、ゴミとか手の脂とかで、すぐに詰まりそう [↩]
- 無理してやるときは、ストラップ必須 [↩]
- Flashゲームっぽい奴ばかり [↩]
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